最後の花道　北勢線220形

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Gallery3　VOL-41　Digital remastering　2021.5/22 update

最後の花道　北勢線220形
―　奇跡の220形4連運転を追って　―

総天然色で蘇る近鉄・北勢線220形の雄姿

1991.9/1　麻生田～上笠田　北勢線の主だった220形　Canon newF-1+NFD500mm f/4.5L RVP

　幣サイトGallery3においてモノクロ篇を掲載済みですが、今回は220形の総天然色ことカラー篇でお届けします。
　今回カラー篇のタイトルにもあるように220形の最後は劇的な幕切れで、「最後の花道」に相応しい素晴らしい運用が用意されていました。既に北勢線では近代化に対応するため1990年頃から車輌の電磁直通ブレーキ（HSC)化改造が始まっており、次々に改造が施される中、2輌固定の2編成で西桑名～北大社の区間運用に余生を送っていた220形4輌には改造の予定がなく、廃車が確定的となっていました。　
　そもそも、非力な220系のMc+Tc組成では北大社～阿下喜への運用には入れず、ファンから見ればロケーション抜群の奥地で220系が撮れないのが実に残念で、1Mcでも走っていた時代に撮っておくべきだったと後悔していましたが、何と改造に伴う車輌不足から220系の2編成が連結され、前代未聞の220形4連運転が実現することになりました。こうなると2Mcになるので北大社～阿下喜へも入線するようになり、全線で220形の4連運転が1990年秋頃から撮影できるようになりました。
　この新たな220系4輌編成は朝夕に定期運用（運用離脱時期あり）を持ち、時に変運用で日中フルに入る日もありました。しかし、HSC改造が全て終わるとこの220系編成も役目を終えることになり、1992年8月16日～9月15日までの休日に「さよなら運転」が行われました。最終日の9月15日、運用を終えた220系はその日の深夜に北大社の車庫から阿下喜に自力回送され、そのまま保存されることなく側線で4輌とも重機で解体されました。
　現在、解体された側線は軽便鉄道博物館になっており、もう一つのナロー路線である内部・八王子線で走っていたモ二226が美しくレストアされて保管展示されています。
※車輌単体の形式を表現する場合は「220形」、編成を表現する場合は「220系」と使い分けています。

【モノクロ篇】→追憶の近鉄・北勢線220形 update 2021.5/2